裁判対応の電気機械(火災)事故技術鑑定・PL事故技術鑑定・自動車(火災)事故工学鑑定・火災事故保険裁判技術鑑定・特許同一性裁判及びそれらの複合案件の技術鑑定・工学鑑定を技術鑑定会を中心とする多分野専門家チームで行います。
火災保険の支払い要求に対し、支払い拒否がなされている場合の裁判において、請求者側に立った火災原因鑑定を、専門家チームで行います。初期費用を抑えるため、成功報酬と組合せてお引受けすることもできます。(技術士:大藪勲)
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火災実例鑑定報告書技術士大藪勲鑑定人趣意書原子力鑑定技術技術鑑定会2007

火災実例鑑定報告書

この焼損事故鑑定書(火災事故鑑定)は保険金請求の依頼者側からの要求により作成した私鑑定書です。仙台高等裁判所において、判決(勝訴)の「裁判所の判断」にこの「鑑定書の主張」が採用されています。添付「判決文抜粋」も参照して下さい。

電気関係を中心とし,多分野の技術士との連携により,火災保険などの保険金請求者と保険会社が支払いの妥当性に関し,訴訟になっている場合,火災原因(特に電気火災)の究明,発火場所,発火時刻等の科学技術鑑定を行います。私たちは私鑑定中心のチームであり、依頼者側に立ち,弁護士と連携し、倫理に沿った技術鑑定を行います。鑑定に用いる資料は@消防,警察による公的報告資料A目撃者,従業員,による事故目撃証言B業務内容,配置図(火災延焼ルート解析),C事故後の写真(火災延焼ルート解析)D電気系統図,電気設備図,電話配管,照明器具,換気扇結線図,建物図面などです。可能な場合は現場確認も行います。裁判の相手側から鑑定書が提出されている場合は,それに対抗する鑑定書の作成も受託いたします。

(キーワード)
技術鑑定,保険金訴訟,裁判私鑑定書,事務所・塗装室・倉庫 焼損事故,資料鑑定報告書,塗装工場での電気火災,溶剤・塗料などに引火,出火場所に木製の可燃物,動力線からの漏電,絶縁劣化等による過熱・漏電・発火の可能性,キューピクル側で電源喪失,ショート,トラッキング,電線の発熱,グラスウール断熱材,2階天井裏の動力線から漏電,電気事故,過電流ブレーカー,トラッキング現象,シンナーや塗料がある場所への引火,消防署実況見分調書写真,消防,警察による公的報告資料,塗装室塗装ブース内に付着蓄積したウレタン塗料による自然発火,高圧受電盤,電力系統制御,地絡保護継電器,電話発信器,エアードライヤー,絶縁常時監視装置,絶縁監視漏洩電流,動作電源喪失
 

仙台高等裁判所第1民事部 平成18年(ネ)第114号 保険金請求控訴

【平成**年*月*日発生 /************】

資料鑑定報告書

事務所・塗装室・倉庫   焼損事故
200*年(平成**年) *月 **日

大藪技術士事務所

【文部科学省登録・第17061号(電気電子部門・情報工学部門)】
所長・技術士 大 藪  勲

酒井技術士事務所

【文部科学省登録・第29390号(応用理学部門)】
所長・技術士   酒 井 直 巳

原MOT事務所 MOTコンサルタント
(Management of Technology:技術経営)

【文部科学省登録・第18182号(経営工学部門)】
所長・技術士   原  邦 芳 
(電力系統の保護制御装置および受電システムの開発・設計に長年従事し,漏電リレーに詳しい)
判決文抜粋

目次

A.資料科学技術鑑定(結論)

火災原因の推定

B.電気系の解説

  1. 事実確認の見解
    塗装工場での電気火災の発生により発信機の第一報と第二報が発信された事実を裏付ける根拠

    (1)絶縁常時監視装置の発信履歴について

    (2)第一報と第二報の事実にもとづく理由により塗装工場での電気火災発生の根拠

  2. 検討課題

    (1)課題 1

    乙56号証の解説に記載された「動力線からの漏電が電灯線の発信器電源喪失よりも1分以上早い」という内容は妥当なものか。
    例外として「発信器の入っているL2の配電盤よりもキューピクル側で電源喪失が起こった場合」という**電力配電部の専門家の指摘がありましたが、本件事故の場合その可能性の有無。

    (2)課題 2

    乙56号証の解説「動力線から漏電が電灯線の発信器喪失よりも1分先」が正しい場合,本件火災の原因の可能性の1つとして漏電,ショート,トラッキング,電線の発熱などの電気的事故は考えられるかどうか。

    (3)課題 3

    平成**年*月**日の法廷において「出火場所が1階の玄関の床面近くなら,1階天井裏や壁面に電灯線が入っているのに,2階耐火ボード裏のグラスウール断熱材のさらに裏側の動力線が,1階や2階の電灯線よりも先に漏電するのはおかしいのではないか?」という質問に対して,**鑑定人は「火災の状況によって起こりうる。グラスウール断熱材は火災の時は火災の時はよく燃える。」という主旨の答えをされました。1階の天井裏の電灯線や電話線が火災による漏電やショートを起こさないうちに,2階天井裏の動力線から漏電するようなことは起こりうるのか,起こりうるとすればどのような場合か。
    動力線からの漏電の場合,むしろ塗装室での電気事故によって起きる可能性が高いのではないか。

    (4)課題 4

    当組合の動力線の過電流ブレーカーは、キュービクルでは400A,はんせいき館(乾燥棟)の配電盤では125Aと150Aの過電流ブレーカー,225Aの過電流ブレーカー兼用の200mAの漏電ブレーカーが配置されていました。塗装室内配電盤にはヒューズ入りのコンデンサがありましたが,これ以外に動力線のヒューズはありません。火災後の点検では,150Aの過電流ブレーカーが電気を遮断した状態でした。
    200Vの三相動力線で50mA以上225A以内、50mA以上125A以内の漏電、ショート、電線の発熱、トラッキング現象等の電気的事故の可能性の有無。

    (5)課題 5

    塗装機メーカーの**塗装機や機械販売会社の**産業からは、塗料などの自然発火の可能性を指摘されましたが、**塗料の納品書にある当組合の使用している塗料の種類、使用量からみて、工場休止中の夜間にそのような事故の発生する可能性の有無。

    (6)課題 6

    当組合の配線位置、被害動産位置の場合に、動力線からのショート、トラッキング、発熱などの電気的事故から、シンナーや塗料がある場所への引火による火災の起こる可能性の有無。

    (7)課題 7

    **鑑定人が乙第14号証で出火場所とした,事務所玄関上がり口付近には,乙第2号証の消防署実況見分調書写真No.60に撮影されている通り,下が中空の足つきの木製の敷き台が燃え残っている他,階段も炭化して3段写っています。上部の鉄骨が曲がるほどの激しい火災が9時16分頃から10時36分まで1時間20分も続いたのに,出火場所に木製の可燃物が残ることはありえるか。